GAFAMを代表するテック企業は、シリコンバレーを中心としたアメリカに集中しています。
加えて、BATを代表に中国のテック企業もまた力を付けています。
日本の自動車産業が、世界から締め出され、テック企業は海外企業の得意分野となったら日本企業はどうなってしまうかという不安を感じます。
そんな中、国境を超え、Web3という新たな領域で世界から注目を集めるプロジェクトを知っていますか?
そのプロジェクトの名は「Astar Network」、ファウンダーは「渡辺創太」という日本人です。
本記事では、次世代を代表するであろうAstar Networkを、まだ知らない人も既に知っている人も何度も見返して復習したくなる内容となっています。
後半には、誰もが知っている企業とのコラボプロジェクトを紹介します。つい他の人に語りたくなる情報満載ですので、最後までどうぞご覧ください!
Contents
Astar Networkとは
システムの全く違うテクノロジーを繋ぎ、Web3の架け橋を果たすことが「Astar Network」の目的です。
別々のテクノロジーが相互的作用を発揮することで想像を超える様なベネフィットをユーザーに与えます。
これはつまり、スマートコントラクトにおける両替を実現し、誰でも簡単にWeb3プロジェクトに触れる機会そのものの制度設計といえます。
例えば、海外に渡航する際に現金を外貨に両替します。
その手順を省き、海外旅行のハードルを下げるためにVISAなどのクレジットカードのサービスが進化しています。
同様にWeb3では、ブロックチェーンごとにシステムやコードが異なるため、相互的な関係を持たないチェーンが多数存在します。
魅力的なプロジェクトであっても、使い勝手の悪さや認知度の低さ故に、価値の最大化を図れていないプロジェクトは無数にあります。
それらを繋ぐハブになり、簡単にWeb3を扱える世界を創造するのがAstar NetworkのVisionです。
このような相互的な作用を持つブロックチェーンを「Polkadot」といい、Astar NetworkはPolkdotという大樹の光り輝く果実であり、太い幹なのです。
参照動画: 今さら聞けない「ダオ」って何?“ウェブ3起業家” 渡辺創太が語る未来【テレ東経済ニュースアカデミー】
本プロジェクトの構想は、渡辺氏が慶応義塾大学経済学部の学生であった時に練られました。
参照記事: Web3起業家の渡辺創太が米国で得た、事業成長を生む考え方 #1
しかし、その構想は学内の狭い学び舎だけで生まれた訳ではありません。
グローバルに活躍する渡辺氏は、学生時代から海外ボランティアや留学の経験、Web3に未来を感じ、少人数でも独りでも積極的に活動したからこそ、ここまでのプロジェクトに成長しました。
Astar Networkは日本人がファウンダーを務める稀有な大規模Web3プロジェクトですが、日本に拠点を置いていません。
それは、日本が抱える税制上の問題や規制、スピード感がプロジェクトの特性に当初適していなかったからです。
そのため、逆輸入する形で、プロジェクトを成功させ、日本が誇る大企業とのコラボを実現させています。
Astar Networkの特徴「3選」
Astar Networkには主に「3つ」の特徴があります。
- Astar Networkは国内発のブロックチェーン
- ステーキング&スマートコントラクト機能有
- Astar Networkの汎用性
Astar Networkは国内発のブロックチェーン
Astar Networkは国内発のブロックチェーンである(創業者が日本人)ことが、大きな特徴です。
Astar Networkは、Stake Technologies Pte. Ltd.が開発するブロックチェーンであり、すでにBinanceやOKEx、HashKeyなど世界的に有名な投資家から支援を受けています。
日本の大企業とコラボしている要因は、日本発であることが深く関わっていると考えます。
Web3やブロックチェーンという世間に浸透していないテクノロジー領域に大企業が投資、注力することはリスキーです。
そのリスクを軽減し、成功した際のバックを大きくする意味でも日本発のブロックチェーンであることは、最初に抑えておくべき特徴です。
ステーキング&スマートコントラクト機能有
Astar Networkには、ステーキングによって利益を得ることができ、スマートコントラクト機能も備えています。
ステーキングは流行りの暗号資産やNFTの全てに備わっていない特徴です。
スマートコントラクトは、大元のポルカドット(Pokadot)が有していない機能です。
しかし、アスターがパラチェーン接続されることで、スマートコントラクト機能が追加されます。
ステーキングとは、対象とされる通貨を保持しブロックチェーンネットワークに参加して報酬を獲得する仕組みです。
ブロックチェーンの運用は、民主的に行うことが求められるため、保持/承認するユーザーが必要です。
NFTや暗号資産取引での売買差益とは異なり、保有する分だけ、報酬を得ることができます。
いくつか制限があるものの、十分に魅力的な特徴であり、株式投資やストックオプションと似ている点があります。
中でも、アスターが提供するステーキングは「dAppsステーキング」と呼ばれるものです。
このdAppsステーキングは、ステーキングによって開発者を支援し、同時に報酬を受け取る仕組みです。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で契約を自動で行うシステムです。
元々、ポルカドット(Pokadot)はスマートコントラクト機能を有していません。
しかし、アスターがパラチェーン接続されることでスマートコントラクトが可能になります。
よってDAOへの構想がより現実的になる他、スマートコントラクトを有していないブロックチェーンの弱点を補う役割を果たします。
Astar Networkの汎用性
Astar Networkは、分散型金融(DeFi)、ゲーム、アーティストマーケットプレイスなどの分野で使用されており、将来的には様々なアプリケーションの開発に使用されることが期待されています。
特にDeFi分野では、Astar Network上で展開されるいくつかのdApps(分散型アプリ)が提携し、新しい団体である「DeCartel」が作られ、現状のDeFi市場を塗り替えるポテンシャルを持っています。
DeCartelは、利用者がより安定的に利益を得られることを目的とした団体で、DeFiの中でも比較的操作が簡単な点もユーザビリティが戦いです。
数多くのdAppsの中でもStarlay Finance は Polkadot エコシステム最大のレンディングプロトコルであり、Astar NetworkによってDeFi分野に疎い日本人にも大きなチャンスをもたらすプロジェクトです。
参照記事: Starlay Finance
上記のほかに今後の参加を表明しているdAppsもあり、さらなる活動の拡大が見込まれるでしょう。
Decartel、その他にもAseter発のプロジェクト動向はDeFi市場に影響を及ぼす可能性があります。
また、前述の通りポルカドットのスマートコントラクトを可能にしていることからも、アスターはDeFi市場に影響している点が特徴です。
Astar Networkの活用事例
さて、ここまでAstar Networkがweb3に与える影響を解説してきました。
しかし、Web3で起こる変化を幾ら列挙されてもあまりイメージできませんよね。
そこで、私達の生活に近い企業とAstar Networkがコラボして現在進行系で進めているプロジェクトを幾つかご紹介します。
前述の通り、Astar Networkは日本をルーツに持つ企業であるため、多くの日本企業から期待を寄せられています。
その中でも「4つ」の活用事例を紹介します。
- 株式会社博報堂×Astar Network
- カルビー株式会社×Astar Network
- Sony株式会社 ×Astar Network
- 株式会社NTTドコモ×Astar Network
株式会社博報堂×Astar Network
博報堂は大手広告会社。
その博報堂のミライの事業室では、広告事業に限らず様々な新事業にチャレンジしています。
博報堂は生活者視点を持つ広告代理店として、Astar Networkはパブリックチェーンを持つWeb3企業として、プロジェクトをすすめています。
Web3のプロジェクトは生活者向けのサービスが少しずつ広がりを見せている一方、新技術に関する知見やスキル不足、特に欧米発のサービスが多く、日本企業にとっては、言語の問題などでサービス開発・実装が困難で、Web3.市場への参入へのハードルが高いのが現状です。
加えて、生活者にとっては専門用語と偏見の嵐であり、キャズムの谷は深まる一方です。
そこで、数年前の暗号資産トレンドとは異なり、暗号資産投資家のみならず生活者も参加しやすいWeb3サービスの開発のために、生活者の博報堂と日本Web3の雄Astar Networkのコラボが実現しました。
参照記事: 博報堂、Astar Networkと連携しWEB3.0ハッカソンを企画・運営する新会社「博報堂キースリー」設立 ~クライアント企業とともにWEB3.0サービスの創出を推進~
カルビー株式会社×Astar Network
博報堂×Astar Networkのプロジェクトの一貫として行われたのが、カルビーのNFTゲームです。
農業体験ゲーム「Astar Farm」は、カルビーのじゃがいもを育てる育成ゲームです。
そして、育てたじゃがいもをNFT化し、実際のポテトチップスがユーザーに届く非常にユニークなGameFiです。
参照記事: 博報堂、⽇本発ブロックチェーンのAstar Networkを活用して、企業のWEB3.0市場参入支援を開始。第一弾はカルビー株式会社とNFTゲーム施策を開発
参照記事: カルビー初!ゲーム上でNFTを限定配布日本発のブロックチェーン「Astar Network」を活用してWeb3.0市場参入
Sony株式会社 ×Astar Network
2023年2月に発表されたプロジェクトです。
音楽・家電などで有名なSonyとのコラボが実現しました。
ソニーの得意とする領域をweb3やメタバースで進化・再現し、金融やIotなど他分野における新たな可能性の発掘を目指しています。
株式会社NTTドコモ×Astar Network
携帯電話・スマートフォンのキャリアとして知らない人はいないであろうドコモは、Web3に莫大な投資をしています。
その額、なんと6,000億円。
その訳とは、ドコモの本業の強みである、全年齢へのアプローチ、個人情報、ユーザー数、全国にネットワークとインフラを持つ、金融やデジタルウォレットへの知見どれをとってもWeb3との相性がいいからです。
その確証と成功確率を高める意味でもAstar Networkとの提携は妥当と言えるでしょう。
参照記事: ドコモとアスターネットワークがWeb3の普及に向け協力
Astar Networkの今後の見通しや将来性
PCやSNSなど世界のあらゆるテクノロジーがそうであるように、人類の進化は留まる事なく進化し続けます。
昔は、一家に一台の白黒テレビで満足していた人間が、今やスマホを1人1つ持たないと気が気でないように、コンテンツとテクノロジーは人間の欲が無限に湧く限りリッチになり続けます。
ブロックチェーンも同様にマルチェーンとなり、いとも容易く別のブロックチェーンとの接続を可能にするでしょう。
その価値にいち早く気づき、日本の税制改正を進めているAstar Networkは日本Web3企業の柱として進み続けるでしょう!
Web3 TimesではこれからもAstar Networkの最新動向をお届けします。