NFT取引で話題になる【ガス代】とは?

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NFTは素晴らしいテクノロジーで、売買するだけで儲かる!と考えている方、危険です。

NFTの売買の際に、「ガス代」が発生します。

この仕組みを知らないと、いつの間にか残高からお金がなくなり、欲しい作品を入札できず、無駄な手数料を払い続けてしまいます。

本記事では、NFTを全く知らない初心者の方でも分かりやすくガス代を理解できる内容となっていますので、最後までどうぞお楽しみください。

ガス代とは

NFTを始める際、ガス代を理解することはとても大切です!

結論、ガス代とは「手数料」です。

NFT売買や出品など取引の際に必要な手数料です。

例えるならば、高速道路料金のようなものです。

実際の高速道路料金は、国や高速道路を運営・整備している機関に支払われますが、ガス代は誰に?どこに支払われるのでしょうか。

それを知るためには、暗号資産の仕組みを理解する必要があります。

暗号資産は、法定通貨における銀行や政府の様な第三者機関が基本的に存在しません。

その暗号資産の確からしさを証明するシステム、そしてマイナー(採掘者)と呼ばれる承認者によって民主的に運用されています。

つまり、管理者を置かずに、システムと承認プロセスのみで暗号資産を世の中で流通できる「意味ある資産」である証明しています。

そのシステムで行われる承認作業を「トランザクション」といい、その報酬としてガス代が支払われます。

トランザクションと暗号資産の仕組みはセットであるため、ガス代を無くすことは無理でしょう。

そのため、ガス代に関して知識を持つことは大切です。

ガス代は何で構成されているの?

ガス代は、「Gas limit」「Gas Price」の2つの要素で構成されています。

それぞれ説明させて頂きます。

Gas limit (ガスリミット)

「Gas limit」とは利用者が、トランザクションに対して消費することを許容できる最大ガス量を表します。

単位は「GAS」であり、ネットワークの混雑状況によって、マイナー(採掘者)が承認するに当たって求められる最大GAS量は異なります。

現実世界でも、ゴールデンウィークなどの混雑している時期では、高速道路や旅館、テーマパークなどの値段が高騰します。

同様に、GAS limitも変動するのです。

これらのガス代を抑えるためには、2つの方法があります。

GAS limitを最大量に設定する

変動するGAS limitを最大量に設定していないと手数料が無限に発生してしまう恐れが生じます。

最大量に設定し、手数料をなるべく抑える必要があります。

上限値を設定することで、余計なプログラムが起動したとしても、途中で停止させることができます。

ネットワークの混雑していない時間帯を狙う

ネットワークの混雑状況に応じて、トランザクションで要求される難易度が高まり、報酬となるGAS代が高騰します。

従って、閑散期を狙ってトランザクションを作成するとガス代を安く抑えられます。

Gas Price (ガスプライス)

1GASあたりの金額は「Gwei(ギガウェイ)」という単位で設定されており、こちらは「1Gwei=0.000000001ETH」に相当します。

問題は、「1GAS = xGwei」が変動することです。

このパラメータを引き下げることで、送金手数料を削減することができます。

ただし、送金速度とトレードオフの関係にあるため、ガス価格を下げすぎるとトランザクション承認に時間を要します。

また価格設定は、前述の時間帯や扱う暗号資産の通貨の種類によって異なります。

昨今、このGas Priceの高騰が目立っているため、イーサリアムのアップデート「The Merge」などの施策で価格の安定と低下を目指していますが、根本的解決には至っていません。

Gas Priceが安価な暗号資産は、マイナーな傾向にあるため、メジャーな暗号資産への早急な対応が求められます。

参照記事: 次期マージ(Merge)のアップグレードではガス代は削除されない=イーサリアム財団

NFTでガス代が発生するタイミングとは

ガス代の理解を深めたところで、ガス代が発生するタイミングも合わせてお教えします。

ガス代が発生するタイミングは多岐に渡りますが、今回はその中でもよく見られるシーンを2つご紹介します。

  • ETHの送金・受取・通貨取引
  • NFTの売買

今回は、NFT売買でよく使用されている、イーサリアムを使用する前提で説明させて頂きます。

イーサリアムの送金・受取・通貨取引

イーサリアム(以下ETH)を誰かに送金するタイミングで、ガス代が発生します。

そのため、10ETH送金する際には、小分けにして送金するのではなく、一気に送金した方が、ガス代を抑えられます。

同様に受取のタイミングもガス代が要求されます。

また、ETHはPolygonにブリッジできるため、その際にガス代が要求されます。

ブリッジとは、互換性のある暗号資産を両替することです。

他にも、独自トークンや別の暗号資産にスワップする際にもガス代が発生します。

スワップとは、異なる性質を持つ暗号資産を同じ価格になるように変換することです。

これらの背景には、暗号資産の確からしさを証明するためのトランザクションが生成され、その承認が必要であり、報酬を求められるからです。

NFTの売買

NFTの売買にもガス代が発生します。

例えば、自分が狙っているNFTを購入する時、自分のNFTを売りに出す時にガス代を支払わなければなりません。

ここで、注意すべきなのは、「フリーミント」と呼ばれる価格が0ETHのNFTを購入する際にもガス代が必要である点です。

また、NFTはFTである暗号資産と異なるため、すぐにETHに換金できません。

買い手と売り手のマッチングが成立しないといけないため、何度も売りに出す行為によって多額のガス代が発生することがあります。

フロアプライスと言われるそのETHの最低売り価格やベストオファーと言われる基準価格のバランスを加味して売買することがガス代を抑える一つの有用な手段です。

まとめ: NFT取引で話題になる【ガス代】とは?

ガス代はWeb3コンテンツの運用に必要不可欠なガソリンであり、通行料金です。

しかし、現状では、そのガス代は高く、Web3が一般層に浸透されない大きな要因の1つでもあります。

加えて、人間の欲と技術の進歩は果てしなく、際限なく止まりません。

面白い映像や4D/メタバースへと進化します。

コンテンツがリッチになる一方、ガス代の高騰が続けば、産業は回らなくなってしまうでしょう。

そのため、現状では、上記のガス代を抑える工夫を活用し、中長期的にはガス代が安価になることを期待し、そのために正しく情報を入手する場所や手段を見つけましょう。

そして、将来的に、暗号資産をベースにしたWeb3が一般化され、ガス代問題が解決される未来を信じ、コンテンツを準備し、知識を装填し、次世代に備えるのです。

これからもWeb3 Timesで最新情報を集めて行動しましょう!