【NFT証明書】NFT証明書の活用事例

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「NFT証明書」ってご存知でしょうか?

最近、大学卒業証明書やコミュニティ参加証を、NFTを発行する事例が多くなってきました。

ただ、具体的にどのような証明書がNFTとして発行されているのか、知りたいと思われる方は多いのではないでしょうか?

今回は、証明書をNFTで発行するメリット・デメリット、そして活用事例を紹介させて頂きます。

NFT証明書とは?

「NFT証明書」とは、NFTの技術を利用して作成されたデジタル証明書です。

NFTはデジタルデータに唯一性を与える技術です。

NFTの証明書は、ブロックチェーン技術を使用して作成され、改ざんされることがなく、所有者のプライバシーを保護することができます。

最近では、大学卒業証明書やコミュニティ参加証を、NFTを発行する事例が多くなってきました。

そして、将来的に、雇用主や大学入学先などの第三者に、NFT証明書を確認することができるようになるかもしれません。

現在、多くの教育機関や企業がNFT証明書の採用を検討しており、将来的に一般的なものになる可能性があります。

NFT証明書のメリット

証明書をNFT化することに価値があるか、そのメリットを「3つ」ご紹介します。

  • 捏造できない
  • 管理が簡単
  • インセンティブの発行

捏造できない

学位や資格の証明、就職活動における実績を証明する際にNFT化することで捏造を防ぎます。

例えば、就職活動の際、試験に合格するために実績や出身校を捏造し、印象を高める場合があります。

大企業の場合、就職試験を受ける就活生1万人を優に超えます。

そのため全員の経歴を検証することは困難であり「サークルの部長でした」という嘘の言い分でもそのまま通ってしまうことがあります。

しかし、NFTでの実績証明は、自己申告制ではなく証明を貰い、デジタルによって信頼を担保される仕組みであるため、それらの問題解決が可能です。

どの様なキャリア形成したかをデジタル証明し、人材のミスマッチングを防ぎます。

管理が簡単

「ペーパーレス」を政府が掲げている様に。NFTで証明書を発行することで紙資源の消費を抑えられます。

加えて、データ管理から共有、個人情報保護といった手順を踏み、移動が難しい媒体をより簡単に管理できます。

インセンティブの発行

NFTによる実績証明はインセンティブの発行です。

例えば、ボランティアに参加した方にNFTを配布します。

人に言いふらすことではないけれど、その人の魅力を表す実績をNFTで表現できます。

他にも、様々な行為をNFT化することで「NFTがただ欲しい」から「やりたいこと、誰かのためになることをしたらNFTを貰えた」へと昇華していきます。

NFT証明書のデメリット

では、NFTで証明書を作ることで考えられるデメリットは何でしょう?

今回は大きく分けて「2つ」挙げます。

  • スマホやウォレットへのハッキング
  • ポンジスキームの可能性

スマホやウォレットへのハッキング

NFTでは、あくまで証明書を管理するのは自分です。

個人のスマホやウォレット(Web3の財布)を管理方法がずさんであると簡単にハッキングされてしまいます。

NFT自体のシステムを改ざんすることはできませんが、NFTを入れている金庫や財布を盗むことはできるのです。

偽札を作る犯罪に比べ、詐欺や盗難が多いのと同様に管理と知識がなければ、個人情報を抜き取られてしまう可能性があります。

ポンジスキームの可能性

NFTを発行することに免許は必要ではありません。

証明書をNFTで発行することにも法的な拘束力も現在ありません。

従って、NFTの発行元を見極めなければ詐欺に遭う可能性もあります。

実際に、NFTを販売し、その売り上げを持って消えた事例がいくつもあります。

加えて、NFTの購入を暗号資産で行った場合、その取引を取り消すことはできません。

そのため、詐欺に遭った際には自己責任になるケースが非常に多いのが実情です。

NFT×証明書の活用事例

NFT証明書の活用事例はいくつもあります。

今回は国内の事例を「6つ」ご紹介します。

  • 大阪・関西万博の電子チケット
  • 近畿大学入学NFT
  • サマースクール卒業証明書 (落合陽一氏)
  • 千葉工業大学卒業NFT  (伊藤穰一氏)
  • スマホ身分証明書DID MYDID
  • デジタル経歴証明プロダクト VESS

大阪・関西万博の電子チケット

2025年に開く国際博覧会(大阪・関西万博)で導入するキャッシュレス決済アプリに、電子チケットの役割を果たす非代替性トークン(NFT)が活用される予定です。

近畿大学の入学NFT

大阪にある近畿大学では、2023年度の入学式で「入学証明NFT」が配布されました。

国内の大学初の事例であり、「個人の体験を価値化」するWeb3.0サービス『アプデミー』β版の提供開始株式会社ODKソリューションズによって実現されました。

本実証実験では、Web3.0の思想やNFTの技術を取り入れることで、大学生それぞれの価値観に基づく「自分らしい」キャリア形成の支援を目指し本実証実験の開始を記念し、2023年近畿大学入学式で、約8,000名の新入生を主な対象としています。

新入生たちが、留学や就職活動などの際にNFTで実績証明が可能です。

来場者は、会場内のスクリーン等に投影されるQRコードをスマホ等で読み取るだけでNFTを取得する体験ができるため、Web3の裾野を広げる第一歩になりました。

⇒参照記事: 国内の大学初!近畿大学入学式で入学記念NFTを配布!

サマースクール卒業証明書 (落合陽一氏)

研究者兼メディアアーティストとして各種メディアに出演している落合陽一氏が開催するサマースクールでは、ロボット作成やコーディングなど最新テクノロジーに触れる機会を子供たちに提供しています。

数日間の刺激的な体験を終え、学校で話したくなる様な体験をした子供たちはスマートフォン1つで受け取れるNFTを持ち帰れます。

最新テクノロジーに触れ、楽しさを実感し、それがNFTによってデジタルで証明された経験は新しい経験として心に刻まれるでしょう。

将来に日本を担う研究者たちは皆、そのNFTを持っているかもしれません。

⇒参照記事: 個人の学びや活動実績をNFTでデジタル化し、クレデンシャル管理する実証実験を実施

千葉工業大学卒業NFT  (伊藤穰一氏)

Web1.0からインターネット業界を支え続けている、伊藤穰一氏がセンター長を務める千葉工業大学変革センターにて、NFTによる学修歴証明を発行しました。

このNFTはPolygon のブロックチェーン上で NFTとして mint したものになります。

大学での単位取得をNFTで管理し、それらの情報をDiscordコミュニティや就職活動、NFTプラットホームやSNSなどにワンストップで接続可能になりました。

⇒参照記事: 国内初!千葉工業大学で学修歴証明書を NFT で発行

分散型ID MyDID

Digital Platformer株式会社から、大阪豊能町で 2022年7月から日本初の分散型ID「MY DID」がリリースされました。

MY DIDとは、ブロックチェーン上で厳重に管理された、デジタル上の身分証明書となります。

スマートフォンに入れて、持ち歩くことができます。

個人情報漏洩リスクの軽減をもたらす点とサービスごとにログインやパスワード、ポイントカードが不要になるが特に注目されています。

⇒参照記事: Digital Platformer、大阪府豊能町で日本初分散型ID(DID)の商用サービス開始とデジタル商品券第2弾

デジタル経歴証明プロダクト VESS

「VESS」は、分散型アイデンティティ(DID/VC)を活用したデジタル経歴証明プロダクトです。

分散型アイデンティティとは、アイデンティティと言われる情報の集合を、ひとつの機関が管理するのではなく、分散型でみんなで証明しようというDID(Decentralized Identier )と、検証可能な資格情報であるVCを合わせたものです。

この技術は転職の際に必要となる、履歴書に活用されています。

現状転職サイトに登録する際は、各転職サイト毎に個人情報を入力する必要があります。

しかし、分散型アイデンティティ(DID/VC)を活用することにより、自分の学歴・経歴・実績・評価などのデータを自身で所有し、様々なサイトに自分の個人情報を持ち運ぶことが可能となります。

⇒VESSに関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

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