【DAO】で変わる、働き方

DAO

最近「DAO」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。

DAOによって従来の働き方の概念は一変します。

それは、マインドの問題ではなく、体系的な変化を遂げることで実現します。

今回は、DAOで変わる働き方の具体例を紹介し、DAOへの理解と期待感、そして来たるWeb3時代の到来とDAOでの活躍方法の薦めをお伝えします。

どうぞ、最後までお楽しみください。

DAOでの働き方とは?

そもそも「DAO」って何?と思われる方が多いかもしれません。

DAOの定義はまだ定まっていないため、一概に働き方を定めるのは難しいのが現状です。

そのため、今回のDAOの定義を3つ仮に定めさせて頂きます。

  • ブロックチェーンでの運用で透明性が確保されている。
  • 匿名で誰でも参加可能な状態である。
  • スマートコントラクトでの決議、評価、決済、給与の支払いが確立されている。

DAOの働き方を例えるならば、「自分が得意な分野/興味のある分野の副業を10個行う」です。

現状の日本では、本業を1つやりきる働き方が根強く残っています。

最近では、副業可能な企業も増えた一方で、DAOは自由にシームレスに仕事を変える事ができます。

それは、自分が雇われるというイメージではなく、誰もが雇用主兼従業員であり、投資家です。

そのため、同時進行でプロジェクトに参加することが可能です。

また、規模を世界規模や日本のあらゆる地域に住む人々とプロジェクトを進行します。

そのため、物理的な制限を無くし、優秀な人材、必要な職種とデジタルでやり取りをして、時間を問わずにプロジェクトが進みます。

DAOでの働き方と会社員の働き方の違い

 

DAOと株式会社には多くの違いがあります。

従来の指示型組織(株式会社)は、賃金が固定され定期的に支払われます。

そのためには、採用試験を受け、選考を乗り越え、雇用契約を結びます。

それに対し、自律分散型組織(DAO)は、独自トークンで配られます。

*理想は独自トークンですが、現時点では、法整備が進んでいないため、日本国内では、法定通貨(円)やイーサリアムなどで報酬が支払いされているのが現状です。

支払われるタイミングは、コミュニティやプロジェクトに貢献した都度で、価値は需要と供給によって変動します。

その報酬を受け取るための選考は基本的に存在せず、誰でも参加可能であり、それらの情報はブロックチェーンで随時確認することが可能です。

従来の指示型組織は、近代において株式会社という資金調達手段で、公的機関との関わりを持たない多くの企業を誕生させました。

時代は進み、IT革命によって情報が飽和状態になり、企業の情報を管理するのが非常に困難になりました。

加えて、指示型組織では、リーダーの指示によって組織は動きます。

そのため、成果は個人の足し算を超えることはありません。

一方、DAOでは、各メンバーが協調し、自律的に動くため、成果は個人の掛け算によって増えていきます。

より詳しくDAOの詳細と株式会社の違いを見ていきましょう。

  • リーダーがいないため、メンバー(参加者)同士で組織を管理します。
  • 誰でもスムーズに参加が可能です。
  • ソースコードを誰でも閲覧可能であり透明性が高い。

リーダーがいないため、メンバー(参加者)同士で組織を管理する。

DAOの大きな特徴は、リーダーが存在せず、メンバーそれぞれがそのコミュニティやプロジェクトの目標を達成するために働きます。

メンバー同士で組織を構築し、相互監視し合うことで、より民主的な設計で組織運営できます。

尚、DAOの中心には、常にスマートコントラストが存在しているため、人間の欲望やひいきなどの感情に左右されることなく評価を与え、見合ったトークンが支払われます。

「インセンティブ」というやる気の感情をスマートコントラクトというテクノロジーで補完することこそ、DAOの真髄であるといえます。

誰でもスムーズに参加が可能である。

伝統的株式会社は、新卒採用を一斉に行い、従業員を教育して、終身雇用をベースとして育成します。

能力の高い社員を中途採用することもあるが、基本的には、教育人事に掛けるリソースを最低限にするべきと考える企業も少なくない。

DAOは、今までの活動やそのプロジェクトの理念や目標がブロックチェーンやそのコミュニティ内に刻まれています。

それらを自分で解釈し、その状況における最適解を考え、プロジェクトに貢献します。

加えて、採用試験や修行する時間を必要としないため、迅速なプロジェクトへの貢献が可能です。

そのメンバーがいつから貢献しているか、それらの貢献料などをブロックチェーンで管理することで、より客観的にメンバーの活動を把握でき、新規メンバーもロールモデルを立てやすくなります。

ソースコードを誰でも閲覧可能であり透明性が高い。

株式会社の財務情報は、上場している場合、株主のために公開されます。

それは、四季報や株主総会資料などの情報から読み取る事ができる一方で、その企業の重要な情報は、雇用されていても知り得ない情報が多数存在します。

上層部しか知り得ない情報や自分の給料の中抜きが何%されているかが不明瞭である程、組織運営の透明性は確保されません。

DAOは、全てのソースコードがオープンであるため、透明性を確保できます。

実際、DAOの成功例とも名高い「Bitcoin」のソースコードは誕生からかなり早い段階で公開されました。

草コインと呼ばれるBitcoinと機能は同じであるものの、名称が異なる暗号資産が多く市場に出回りました。

しかし、Bitcoinの誕生背景やその理念、それらの価値を守ってきたBitcoinerたちの信頼によってBitcoinの価値は現在でも担保され続け、未だ尚、運営者や第三者機関を有することなく運用され続けています。

これらの情報を下記に簡単な表としてまとめてみました。

ぜひ、復習用にご参照ください。

会社DAO
人を選び雇う誰でも勝手に参加可能
決定権はリーダー皆で決定
利益はTOPに集約皆で分配
一部の情報を上層で独占誰でも平等に情報を入手

 DAOで働くにはどのようなスキルが必要か?

DAOで働く際に、ぜひ前提として、頭に入れておいて頂きたいのは「Fat Protocol理論」です。

Fat Protocol理論とは、Joel Monegro氏が提唱するWEB3時代のビジネスモデルの転換、つまりゲームチェンジを具現化したものです。

⇒参照サイト「bitbank MARKETS

Joel Monegro氏はNYのVCで、Web2ではネットワークの価値はあるが、経済価値に紐づかないことを指摘しました。

Web3では、オープンソースにより Protocol layerの活躍が可能です。

そして、Application layerに集約されていたトークンを発行できることにより、制作されたサービスをうまく活用し誰でも活躍ができるようになったことを提唱しました。

ようするに、クリエイター・エコノミーと呼ばれる世界であり、ブロックチェーンを構築したエンジニア、イラストを最初に書いたクリエイターに収益構造の一番美味しいところを与える構造がシステム上可能になったということである。

現に、イーサリアムの価値は、スマートコントラクト機能とNFTの普及と紐付いています。

NFTの二次創作は、広く認められており、オリジナルの作者には、転売されるほどロイヤリティが発生します。

GAFAのCEOの名前を多くの人々が知っているのに、それらを構築しているエンジニアの名前は殆どの人々が知りません。

彼らが生み出すイノベーションによって、世界が前進し、テクノロジーの恩恵を私達が受けるのです。

従って、この理論をベースにDAOで働くのに必要なスキルを考えると新しいコンテンツを生み出す能力が必要です。

今までの作品やプロトコルを深く観察し、新しい価値を生み出せるクリエイターに市場価値が付きます。

それとは別に、生態系を創る能力が必要です。

コンテンツ、コミュニティ、プロジェクト、それらすべて人が関わっています。だからこそ、従来のロジカルシンキングだけでなく、人間の動線を把握するスキルが必要です。

そして最後に、スピード感を持って動ける行動力が必要です。Web3の情報は凄まじいスピードでアップデートされます。

多くのビジネス書や啓発本に書かれている「行動力」はWeb3という情報飽和社会でより輝きます。

AIやブロックチェーンを今までのビジネスに組み込み、そのために誰よりも先に行動するスキルが重要視されます。

 DAOでの働く際に注意すること

DAOで働く際に注意することは、大きく分けて3つです。

  • 常に実力主義
  • スイッチングコストが低い
  • DAOごとに自律分散しているレベルが異なる

常に実力主義

DAOの本質は、個の時代とそれらの掛け合わせです。

つまり、自分の特有のスキルをコミュニティやプロジェクトのために貢献することで報酬を与えられます。

また、前述の通り、全員が投資家としての役割を持っているため、伸びそうなプロジェクトや応援するDAOを選定する眼を養わなければいけません。

スイッチングコストが低い

DAOはメンバーの法的拘束力を有さないケースが多い。

そのため、そのプロジェクトの期待値に応じて、メンバーの熱量に差が出てしまい、優秀な人材が簡単に別のDAOに移ってしまう危険性があります。

DAOごとに自律分散しているレベルが異なる

DAOごとに採用しているブロックチェーンやシステム、プロジェクトによって実は中央集権化しているDAOも珍しくないでしょう。

意思決定のスピードなどのトレードオフによって、各DAOの特性を見極める必要があります。

それは、自動運転のレベルの様に、レベルによって制限とリスクが天秤にかかっていることに注意しましょう。

おすすめDAO

日本国内で、DAO初心者の方でも参加しやすい、おすすめのDAOは以下の記事で紹介させて頂いております。

良ければ、ご参照頂ければ幸いです。

【DAO】で変わる、働き方: まとめ

DAOによって、株式会社の全てが置き換わる訳ではありません。

重要なのは、DAOの大枠を知り満足するのではなく、本質を理解することです。

ぜひ、興味を持ったDAOを目指したコミュニティに飛び込んで、体験による理解を深めましょう!