Web3キャリアの始め方【キャリアコンサルタント解説】

web3

「Web3分野に興味あるけど仕事にできるのかな?」

このように悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

たしかに、Web3は今までにない技術を活用しており、ワクワクするようなプロジェクトにかかわれますよね。

また、成長分野ではたらくことで、他の業界では得られない成長をしたいと考えているかもしれません。

このようにWeb3分野を仕事にしようか悩んでいる人に向けて、Web3キャリアコンサルタントなべけん(@nabeken_career)が、「Web3キャリアを形成する方法」について解説します。

Contents

Web3キャリアを形成するビジネスとは

そもそもWeb3分野とはどのようなジャンルがあるかイメージが湧きづらいという人もいるのではないでしょうか。

Web3とはさまざまなテクノロジー分野の総称で、大きく7つのジャンルに分けることができます。

  • 暗号通貨(仮想通貨)事業
  • ブロックチェーン開発事業
  • スマートコントラクト開発事業
  • ブロックチェーンゲーム事業
  • dApps開発事業
  • NFT関連事業
  • メタバース事業

これらの分野でWeb3キャリアを形成をする始め方を紹介します。

なお、Web3について詳しく知りたい人は、こちらの記事で解説されているのでチェックしてくださいね。

参照:【初心者向け】Web3とは?Web3の始め方を徹底解説

【初心者向け】Web3とは?Web3の始め方を徹底解説

Web3キャリアを形成する5つのメリット

Web3キャリアを形成するビジネスを見たときに、「どれも専門性が高く自分には難しそう」と思ったかもしれません。

たしかに、Web3キャリアを形成するためには専門的な知識が必要ですし、IT分野なので理解をするハードルが低くはないです。

しかし、Web3分野の技術に対する理解を深めてWeb3キャリアを形成するメリットは十分ありますよ

ここからは、Web3キャリアを形成する5つのメリットについて紹介しますね。

Web3キャリア メリット①: 業界をリードする立場で働ける

参照: One Marketing

Web3は日本ではまだ参入している企業が少ないため、業界の先行者としてキャリアを構築することができます。

マーケティング用語で、商品や概念の普及率を表す「イノベーター理論」という考え方があります。

Web3キャリアの形成についてもイノベーター理論に当てはめて考えることができますよ。

この理論では、新しいサービスに関心度が高い「アーリーマジョリティー」が参入すると、市場へWeb3という概念が普及したことになり、Web3キャリアを形成する先行者優位が薄れてしまうのです。

実は、海外ではすでにブロックチェーンとNFTは「アーリーマジョリティー」まで到達したと言われており、グローバル目線で考えると市場への普及が始まります。

しかし日本市場においては、「イノベーター」や「アーリーアダプター」の段階で普及フェーズの前なので、現段階でWeb3キャリアを形成し始めると先行者優位が得られるのです。

Web3キャリアを形成するタイミングが遅くなると、実力主義が激化するタイミングのため、キャリア形成をする難易度が一気に上がってしまいます。

先行者になることで「NFTと言えば〇〇さん」や「DeFiと言えば〇〇さん」のように代名詞になることができ、さまざまなチャンスを手にすることができます。

チャンスを活かして経験を積むことで、名実ともにWeb3人材として活躍することができるのです。

Web3キャリア メリット②: 株式価値の上昇が見込める

Web3企業は、給料とは別に株式を報酬に設定したりストックオプション制度を採用していることもあります。

ストックオプションとは、自社株を購入できる権利のことです。

Web3事業へ参入している企業の多くはスタートアップなので、株式の価値上昇がこれからも見込まれる状態ですよね。

そのため、自分がプロジェクトにかかわりプロジェクトが成功することで、資産を増やせる可能性が十分にあります。

実際に、アメリカの大手暗号資産取引所コインベースは、株式が上場した際に1,700名の従業員に対して100株をエアドロップしました。

株式の初値は250ドルだったため、25,000ドルの報酬をもらったということですね。

このように、ビジネスキャリアだけでなくライフキャリアを充実させる可能性もあるのです。

Web3キャリア メリット③: リモートで働きやすい

Web3は企業が情報を管理しない匿名性が特徴のひとつです。

実際にWeb3サービスを利用するときには、ウォレットを接続するだけで利用ができるため、ほとんどのサービスが個人情報の登録をおこないません。

Web3事業を展開する企業は、この匿名性を大切にしているため、対面で仕事をすることを重視していません。

そのため、テキストコミュニケーションやメタバースでの会議などを前提としたリモートワークの求人が非常に多いです。

また、グローバルなプロジェクトでは、求人募集している企業が所在している国とは別の国に住んでいても働くことができます。

たとえば、日本に住みながらアメリカのWeb3企業ではたらくということですね。

今までにもこのような働き方できる企業はありましたが、Web3の専門性があることで、より実現しやすいという特徴がありますよ。

Web3キャリア メリット④: 優秀な人材と協働できる

現状でWeb3キャリアを形成する人は、イノベーターとアーリーアダプターなので、参入している人材は時代の先を読んでいる優秀な人材とも考えられます。

日本では特にWeb3人材が非常に少ないため、早期にWeb3キャリアを形成することで優秀な人材と協働することができるのです。

先ほど説明したとおり、現状の日本ではWeb3にかかわる人は「イノベーター」あるいは「アーリーアダプター」です。

このような人は、世間や業界のトレンドに敏感で、常に次の流行のアンテナを張っている優秀な方が非常に多いという特徴がありますよ。

また、優秀な人材と協働することで、次の新しいテクノロジー分野のアーリーアダプターになるチャンスがあります。

現在はWeb3が先端テクノロジーと言われていますが、数年後には必ず新しいテクノロジー分野が誕生しますよね。

Web3分野のアーリーアダプターと協働して情報交換することで、新しい分野の波にのるチャンスがあるため、長期的なキャリア形成のメリットがあるとも考えられますね。

Web3キャリア メリット⑤: 給料が高い水準で働ける

Web3人材は需要が高いにもかかわらず人材が少ない状況のため、給与水準が高い傾向があります。

特にWeb3エンジニアは、平均年収1,000万円以上の水準となっています。

海外ではWeb3関連の求人がすでに多く求人サイトに掲載されており、求人サイト「Web3 Jobs」によると、Web3関連の求人の平均年収は以下となっています。

職種 平均年収
Blockchain Developer$100,000(¥14,000,000)
Product Manager$120,000(¥16,800,000)
Designer$80,000(¥11,200,000)
Marketing$75,000(¥10,500,000)
Community Manager$60,000(¥8,400,000)
Sales$60,000(¥8,400,000)
出典:Web3 Jobs ※1$=¥140

すでに説明したとおり、このような高水準の求人はフルリモートで募集されています。

そのため、日本に住んでいても英語スキルとビジネススキルがあれば応募することができますよ。

Web3キャリアの形成は将来性がある6つの理由

Web3キャリアを形成するメリットを理解できても、キャリアチェンジをした後にWeb3分野が衰退してしまうことを考えるとキャリアチェンジの一歩踏み出せないですよね。

実は、Web3分野はこれからさらに需要が拡大し、将来性がある分野だと言われていますよ。

ここからは、Web3キャリアは将来性があると言われている理由について解説しますね。

ブロックチェーン市場の年平均成長率43%

参照:nikko am

Web3分野でキャリア形成をするためには、市場そのものが大きくなる必要がありますよね。

アメリカの投資運用会社である「ARK INVEST(アーク・インベスト)」が2022年1月に発表した『BigIdeas 2022』によると、成長率が高い市場のひとつに「ブロックチェーン」が含まれています。

年平均成長率に注目すると、「ロボティクス」に次いで43%の成長率となっています。

10年間で3%しか成長しない「既存株式市場(Non-Innovation Equity Capitalizetion)」と比較すると、市場が成長することの期待ができますね。

個人がグローバルマーケットにリーチできる

Web2時代にもインターネットによって、世界にECサイトを公開して商品・サービス販売をすることはできました。

しかし、インターネット環境によって公開されるサイトや取り扱う通貨が異なることで、グローバル市場にリーチしていないサイトも多数あります。

一方でブロックチェーン技術を活用したWeb3型サービスなら、たとえ個人であってもグローバル市場にリーチすることができるのです。

実際にNFT販売を例にとってみると、NFT販売プラットフォームは全世界で共通のページが用意されています。

そのため、個人のNFTクリエイターが出品したNFTを海外コレクターが購入したケースがすでにあります。

そして、このときに使う通貨は暗号通貨なので、グローバルな取引にもかかわらず通貨の換金は一切発生しません。

また、今後メタバースが発展すると、全世界からメタバースはアクセスすることができます。

メタバース上で商品(NFT)やサービスを提供するときには、日本だけでなくグローバルな市場に提供していることと同じになりますよね。

そして、グローバル市場にリーチできるということは、国内だけと比べるとマーケット規模が非常に大きいため、大きな金額を動かすチャンスもあるのです。

そのため、Web3キャリアを形成すると大きな仕事にチャレンジすることができますし、報酬面でも大きな金額を期待することができますね。

セキュリティ面で安心できる

Web3を支えている技術はブロックチェーンです。

このブロックチェーンには、どのような特徴があるかご存じでしょうか。

ブロックチェーンには、このような3つの特徴があります。

  • トレーサビリティー(追跡可能性)
  • 耐改ざん性(改ざん不可能)
  • 透明性(情報共有)

ブロックチェーン技術を使わない従来の技術では、企業のサーバーやクラウドへデータの保存がされていました。

そのため、サーバーやクラウドデータベースに障害が起きたり、ハッキング被害に遭ったりすると、サービスの安定供給ができず、情報の流出につながってしまいます。

しかし、ブロックチェーンは多くの参加者でデータを分散して持つ技術です。

そのため、ブロックチェーンに記録されたデータの改ざんや消去をするためには、分散されたデータをハッキングする必要があります。

このハッキングは現実的ではないため、耐改ざん性があると言われていますよ。

企業が中央集権的に管理するデータベースよりもセキュリティ性が高いため、技術的に注目されており、多くの企業が利用する技術として注目されているのです。

GAFAMの人材の流出が始まっている

海外の流行は日本に遅れてやってくると言われていますよね。

実は、Web3分野においてもすでに日本は3年遅れていると言われています。

そのため、海外ではWeb3分野がどのように注目されているか知ることが、3年後の自分のキャリアをつくると言っても過言ではありません。

そして、現在のアメリカはどうなっているかというと、GAFAの人材が暗号通貨やWeb3業界へのキャリアチェンジをしているのです。

ツイッターCEOのジャック・ドーシーは決済サービス会社「スクエア」で暗号通貨とWeb3事業に取り組んでいます。

他にもグーグルからコインベース、アマゾンから暗号通貨のスタートアップ、メタを退任し暗号通貨プロジェクトの立ち上げをしている人もいます。

このように、ビックテックからWeb3業界へ人材の流出が始まっており、業界に将来性があると考えられますね。

大手企業が事業参入している

自分がキャリア形成する業界にどのような企業が参入しているのかを注目することは、キャリアチェンジする上で重要なポイントです。

大手企業が参入するための見極めとして、業界に将来性があるかはひとつの基準となっています。

そして、Web3業界はすでに大手企業が事業参入や投資しているのです。大手企業ではこのような企業が参入していますよ。

  • エヌビディア
  • マイクロソフト
  • ディズニー
  • メタプラットフォームズ
  • テンセント
  • アップル
  • NIKE

また、海外だけでなく国内でもこのような企業がWeb3分野へ事業参入をおこなっています。

  • 電通グループ
  • 大日本印刷
  • 博報堂
  • gumi
  • LINE
  • デロイトトーマツ
  • GMOインターネットグループ など

大手企業は、リターンがなければ事業参入・投資はおこないません。

日本だけでなく世界の大手企業が参入していることは、将来性が期待できると言えますね。

経済産業省が「Web3.0政策推進室」を発足

2022年6月7日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、Web3サービスの拡大を国家戦略にするとしています。

現状は日本の法規制の課題があり、Web3起業家が海外へ流出しているという課題があります。

また、Z世代などの若者はフォートナイトのようなデジタル空間で過ごす時間が増えており、今後のビジネスシーンの拡大も見据えてWeb3を「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に決定していますよ。

2022年現在は法規制などの課題はあるものの、長期的な目線で考えるとWeb3キャリアを形成する将来性があることが分かりますね。

参考:経済産業省「省内横断組織として『大臣官房Web3.0政策推進室』を設置しました」

Web3キャリアを形成する3つのリスクとは

ここまで、今からWeb3キャリアを形成するメリットや将来性があると言われている理由について解説しました。

しかし、最先端の技術であるがゆえ、一定のリスクを抱えていることは事実です。

このリスクをきちんと知った上でキャリア選択をすることが、Web3キャリアを選択した後の納得感が大きく変わります。

ここからは、Web3分野でキャリア形成をする上での代表的な3つのリスクについて解説します。

最先端技術のためノウハウが少ない

ブロックチェーンや暗号通貨は最先端の技術なので、現状はビジネスの成功事例が少ないです。

特に、国内でWeb3事業で成功している企業はほとんどないため、先行者として実績をつくり上げる役割を担うことになります。

先行事例がないということは、やはり失敗してしまうリスクもある中で仕事をすることになります。

そのため、失敗をしたくない安定志向の人にはストレスとなってしまう可能性があります。

しかし、「前例がないことに取り組む方がチャレンジングでやりがいを感じる」という人もいるのではないでしょうか。

このようなベンチャー志向がある人にとっては、刺激が多く成長を感じることができますよ。

また、テクノロジーの観点で考えると、dApps開発はオープンソースでおこなわれているため、海外のプロジェクトを参考にすることで開発に活かすことができます。

また、DAO(自立分散型組織)はオープンな組織であることが多いため、どのような議論がおこなわれているのかを参考にすることもできますね。

ブロックチェーンの相互運用性がない

相互運用性とは、異なるものを接続したり組み合わせたりしたときに、正常に動作をすることです。

たとえば、コンセントは国によって型が異なるため「相互運用性がない」ということができます。

ブロックチェーンも同様で、記事を執筆している2022年時点では異なるブロックチェーン同士は相互運用性(インターオペラビリティ)がありません。

しかし、ブロックチェーンを活用する事業にかかわるときは、利用するブロックチェーンを選定しなければなりません。

そのため、自分がかかわるブロックチェーンが将来的には廃れてしまったり、ハッキング被害に遭ってしまったりする可能性もあります。

自分がかかわるブロックチェーンについて深く理解をし、自分でキャリア選択をすることがキャリア選択をする納得感に大きくかかわります。

ただし、自分が関わったブロックチェーンが廃れてしまったとしても、Web3分野の仕事を通じて得たスキルやノウハウは別のWeb3分野で生かすことは十分できます。

また、Astarのようにブロックチェーンの相互運用性問題を解決するためのプロジェクトもありますよ。

自分でリサーチをして自分で意思決定することの必要性は変わりませんが、将来性がわからないからキャリア選択を先送りにするということは避けるべきとも言えますね。

暗号通貨の価値が安定しない

「暗号通貨が暴落した」というニュースを見たことがある人は多いのではないでしょうか。

もちろん暗号資産だけでなく、円安をはじめとする各国の通貨や株価なども価格の変動は起こります。

しかし、暗号通貨は他の金融資産と比べて値動き幅が大きいと言われています。

暗号通貨の値動き幅が大きい理由にはこのような原因が挙げられます。

  • 暗号通貨の取引量が少ない
  • 1日あたりの値動きに上限がない
  • 株やFXに比べると暗号通貨投資家が少ない
  • 国による規制に左右される

Web3を語る上では、暗号通貨との関係性は切っても切り離せません。

たとえば、暗号通貨で支払うガス代によってdAppsのユーザー数が変化したり、NFTの購入者数が変化してしまったりする可能性があります。

また、報酬が暗号通貨の人にとっては、収入が不安定になってしまいます。

Web3キャリアを築く主な職種とは

Web3業界全体のイメージが掴めてきたのではないでしょうか。

ここからは、実際にWeb3分野で活躍している代表的な職種について解説します。

興味あるWeb3職種があるかチェックをしながら読み進めましょう。

Web3 エンジニア・ディベロッパー

Web3分野を支えるのはブロックチェーン技術と言っても過言ではありません。

  • ブロックチェーン・エンジニア、ディベロッパー
  • スマートコントラクト・エンジニア、ディベロッパー
  • アーキテクト
  • バックエンド・エンジニア
  • フロントエンド・エンジニア
  • フルスタック・エンジニア

ブロックチェーンやスマートコントラクトの開発には、従来のシステム開発に使われている「C++」などに加えて、Solidity(ソリディティ)やRUST(ラスト)、Golang(ゴーラング)などがありますよ。

ブロックチェーンエンジニアに関して、より深く知りたい方は、こちらの記事をチェックください。

【Web3キャリア】ブロックチェーンエンジニアとは?

Web3 クリエイター・デザイナー

Web3分野の中で、dApps開発やNFT関連事業、メタバース事業をおこなうときには、ユーザーに使ってもらえるようにデザインすることが求められます。

特にメタバースプロジェクトでは、Web3サイトとは異なりワールド制作をおこないます。

良いユーザー体験が提供できるかどうかはクリエイターやデザイナーに委ねられていますね。

Web3に関連するクリエイターやデザイナーにはこのような仕事があります。

  • NFTデザイナー
  • バーチャルファッションデザイナー
  • ワールドクリエイター
  • コンテンツクリエイター
  • UI/UXデザイナー
  • プロダクトデザイナー
  • グラフィックデザイナー

また、コンテンツクリエイターはWeb3だからこそ、今までとは異なる貢献ができます。

後述しますが、Web3分野で活躍する方法は企業への就職だけではありません。

完全匿名で、不特定多数の方が組織で活躍していることも多いです。

そのため、組織へ新規参入した人に対する教育コンテンツを提供することも求められています。

このときに、動画や音声、テキストのコンテンツが必要になり、コンテンツクリエイターが活躍するのです。

このように、Web2時代に活躍していた仕事が、別の方法で貢献することもできるため、Web3時代ではどのように活躍できるのかは調べる必要がありますね。

Web3 マネジメント

Web3ビジネスを拡大させるためには、既存のビジネスと同じように、エンジニアやクリエイター、デザイナーだけでなくビジネスサイドの仕事も必要です。

  • マーケター
  • コミュニティマネージャー
  • プロダクトマネージャー
  • プロジェクトマネージャー
  • ブランドマネージャー
  • ビジネスディベロッパー
  • リサーチサイエンティスト

Web3では特に、コミュニティマネージャーは重要なポジションとして注目されています。

DAOのような匿名でグローバルに活躍ができる組織では、コミュニティ体験を最適化する必要もあります。

たとえば、新たな人材はコミュニティへ加入したとしても、テキストベースのコミュニティでは「どこで何をすれば良いか」がわからないですよね。

従来の企業であれば、入社後に研修があったり教育担当が付いたりしましたが、そのような制度が整っていないことがほとんどです。

そのため、コミュニティマネージャーがさまざまなメンバーとコミュニケーションを取ることで、DAOが優秀な人材を確保することにつながるのです。

Web3キャリアを形成する3つの方法とは

紹介したような職種でWeb3人材として活躍するためには、3つの方法があります。

企業へ転職する

今までと同じようにWeb3分野で活躍している企業へ就職する方法もあります。

実際に、ブロックチェーン事業をおこなっている企業もあり、日本の求人サイトにもいくつか掲載がされています。

また、すでに説明しているとおりリモートワークの海外企業へ就職することもできます。

もちろん英語力があることが前提になりますが、従来のように転職活動を通じてWeb3キャリアを形成することができます。

フリーランスで働く

Web3キャリアを形成するための選択肢は必ずしも企業への就職だけではありません。

企業へ雇用されるのではなく、フリーランスとして業務委託契約などでWeb3プロジェクトへ参画することもできます。

特にエンジニアであれば、プロジェクト単位で業務委託の募集をおこなっていることもあります。

フリーランスの仕事を探すためには、フリーランスに特化した求人サイトやSNSで求人募集をおこなっているため、応募することができます。

ただし、フリーランスとして働く場合には、即戦力人材として活躍することが期待されているため、すでにWeb3分野での実績が求められます。まだ実力がない人は応募できない求人も多いため注意しましょう。

DAOで働く

Web3キャリアを形成するのは、企業への就職やフリーランスとして働くだけでなく、DAOで働く選択肢もあります。

DAOについて詳しく知りたい人は、こちらの記事で紹介されています。併せてチェックしましょう。

参考:【初心者向け】DAO(分散型自律組織)の始め方・やり方を徹底解説

【初心者向け】DAO(分散型自律組織)の始め方・やり方を徹底解説

DAOは面接などはなく誰でも自由に参加できることが多く、自分がコミットできる仕事を自発的に見つけ、組織へ貢献する働き方ができます。

コントリビューターとしてDAO内の活動に貢献することで、貢献度に応じた報酬が支払われる仕組みになっています。

ただし、DAOもフリーランスのように組織に貢献できる専門性がない人は、活躍できないこともあります。

自分がどのような専門性を持って貢献するか考えることが大切ですね。

⇒DAOでの働き方に関しては、以下記事にてより詳しく説明させて頂いております。ご参照頂ければ幸いです。

【DAO】で変わる、働き方

Web3キャリアを形成ためにすべきこと7選

Web3分野を仕事にするためにすべきことを紹介しましたが、やはり未経験で仕事をするにはハードルが高いです。

これから紹介する7つのことを実践すると、Web3キャリアを形成しやすくなりますよ。

コミュニティでWeb3関連の活動をする

Web3キャリアを形成するために必要なことをリサーチするだけでは、残念ながら仕事にすることができません。

また、Web3業界は変化が激しいため、インターネットで発信されている情報が最新ではないこともあります。

紹介をしたDAOやWeb3関連のコミュニティで活動すると、求められていることの把握ができます。

コミュニティでの活動がすべて報酬に紐づいているということではありません。

たとえば、コミュニティの新規参入者を案内したり、コミュニティの情報をまとめたりして貢献をすることができます。

すると、興味あるWeb3分野を見つけることにもつながります。

また、貢献度が高い場合には報酬につながることもありますよ。

まずはWeb3関連のコミュニティで活動することを実践しましょう。

コミュニティで副業されている方の体験談はこちらの記事で紹介させて頂いております。良ければ、ご参照ください。

【Web3での働き方】会社員がWeb3で副業をするに至ったきっかけとそのメリット

Web3関連の発信をする

コミュニティへ参画して知識をつけても、残念ながら実績にはなりません。

どんなに自分が楽しんで活動をしていても、Web3キャリアを形成するためには、実績が必要になります。

Web3関連のキャリア形成をするためには、あなたが「Web3分野の知識がある人」として認識をされることが重要なポイントです。

まずは、認知してもらえるようにWeb3に関するアウトプットも始めましょう。

アウトプットする方法は、コミュニティやSNS、メディアなどが挙げられます。

自分がキャッチアップしたWeb3情報を発信したり、Web3に関する考察を投稿すると「Web3分野に知見がある人」と認識してもらえます。

その結果、SNSやコミュニティ内でWeb3関連の仕事の依頼をされるきっかけにもなりますよ。

英語スキルを身につける

Web3プロジェクトはグローバル市場に向けて開発されるサービスが多いです。

そのため、プロジェクト内のコミュニケーションが英語になることもあります。

もちろん、日本語のみでコミュニケーションをとっているプロジェクトもありますが、やはり英語ができると採用ある仕事を任せてもらえることが多いですね。

英語スキルの中でも特に、英語の読み書きができるとコミュニティやプロジェクトに貢献できる可能性が高くなりますよ。

Web3コミュニティはグローバルな人材が活躍しているため、リアルタイムでのオンラインミーティングは実施していないことも多いです。

そのときには、テキストコミュニケーションでやりとりをおこなっています。

活躍の幅を広げたいと考えている人は、英語スキルを学習することがおすすめです。

暗号通貨・ブロックチェーンについて理解する

Web2とWeb3の違いのひとつに暗号通貨とブロックチェーンの利用が挙げられますよね。

Web3プロジェクトにかかわる中で、暗号通貨に関する知識が備わっていることは前提になります。

この2つの概念について深く理解をすることで、Web3だからこそ実現できることのイメージができず、事業貢献できなくなってしまうのです。

また、Web2とWeb3の違いだけでなく、Web2とWeb3に共通していることも把握した上で、Web3キャリアを形成することが求められますね。

ブロックチェーンの中でも特にイーサリアムについて理解することは欠かせません。

dApps開発には、イーサリアムが最も活用されており、将来性があるブロックチェーンのひとつとも言われています。

ブロックチェーンの基本的な仕組みだけでなく、各ブロックチェーンの違いまで理解することで、専門性が高く活躍できるWeb3人材になれますね。

また、エンジニア志望なのであれば、概念的な理解だけでなくSolidity言語を学んだり、スマートコントラクト開発をしたりすることも求められています。

NFTについて理解する

暗号通貨と同じくNFTに関しても知識として必要な概念になります。

NFTはWeb3だけでなく、将来的には日常的に利用されることが想像できます。

たとえば、運転免許証やパスポートなどはNFT化をすることで、偽装できず利用することができますよね。

Web3プロジェクトでもNFTを利用したサービス開発がされることも考えられるため、NFTの購入体験やNFTを所有していることによるユーティリティーを楽しむことも重要なポイントです。

ニッチな専門性を身につける

Web3分野は人材が枯渇しているとはいえ、優秀な人材が多く、すでにWeb3人材として活躍している人が多い分野で活動すると競争に勝てない可能性があります。

そのため、自分が貢献できるニッチなWeb3分野を見つけることがポイントです。

ニッチな分野にすることで、まだフルコミットしている人材が少なく、先行者優位を得られるチャンスもあります。

また、特定の分野にフルコミットすることで、他の人よりも圧倒的に高い専門性をつけることができます。

たとえば、NFT全般についてリサーチをするのではなく、音楽関連のNFTに特化してリサーチなどが挙げられますね。

このようにWeb3の特定の分野に、自分がすでに強みとして持っている知識や興味ある分野を掛け合わせて専門性を高めましょう。

Web3関連の求人を調べる

Web3関連の求人をリサーチすることで、どのような人材が求められるのかを知ることができます。

人材要件を把握することで、自分がWeb3キャリアを形成する上で活かせる強み・克服する弱みが明確になりますよね。

つまり、Web3キャリアを形成をするためにすべきことを把握することができるのです。

また、常にWeb3分野の求人情報を収集をすることで、未経験であっても応募できる求人を見つけることもできます。

このような求人はすぐに募集を締め切ってしまうため、チャンスを逃さないためにも求人リサーチは必要ですね。

Web3関連の求人は、求人サイトだけでなくSNSやコミュニティで募集されていることがあります。

求人サイトは登録をしなくても求人情報を閲覧することができますし、SNSやコミュニティもオープンに募集されていることがありますよ。

自分に必要なWeb3スキルを見極めるためにも、Web3関連の求人はチェックしておきましょう。

Web3キャリアを形成する重要スタンス5選

ここまでに紹介したことを実践すれば、Web3分野でキャリアを積むことは十分できますよ。

しかし、「Web3分野にチャレンジしても挫折してしまわないか」や「Web3分野で活躍し続けられるか不安」と感じる人もいますよね。

そのように悩む人は、この5つのスタンスを意識すると、Web3分野のキャリア形成や活躍し続けることができますよ。

  • 好奇心
  • 継続性
  • 柔軟性
  • リスクテーキング
  • 楽観性

この5つのスタンスは「計画的偶発性理論」というキャリア理論で重要なスタンスとして紹介されています。

この理論は「我々のキャリアは8割以上が偶然に左右されているため、良い偶然を起こすことにチャレンジする方が良い」という内容です。

最先端の分野で変化に適応することが求められるWeb3分野で納得感あるキャリア形成をするためには、このスタンスを意識することが重要なポイントですよ。

では、Web3キャリアを形成するのに役立つ5つのスタンスを詳しく紹介します。

好奇心を持つ

Web3分野は常に新しい技術やプロジェクトが誕生しています。

新しい技術の中には理解をするハードルが高いものや、プロジェクトによっては自分が知らない分野の可能性もありますよね。

しかし、新しいことに興味を持ち行動することで、天職や自分の強みが発揮できる分野を見つけることができるのです。

一見すると「難しい」や「自分には関係ない」と感じる技術やプロジェクトであっても、まずは興味を持ちリサーチなど行動をする姿勢が大切ですね。

継続的に取り組む

今までの経験で、はじめは後ろ向きな姿勢で取り組んでいたことが、継続するうちに楽しくなったことはありませんか。

興味を持って取り組んだとしても、やはり継続して取り組まなければ、物事の本質にたどり着くことはできません。

そのため、数ヶ月で諦めてしまうのではなく、一定の期間をフルコミットして継続することが、Web3分野でもキャリア形成するための重要なポイントですね。

柔軟に対応する

継続をすることも大切ですが、ひとつのことに固執することとは異なります。

やはりWeb3分野は常にあたらしいサービスが生まれるため、変化に適応することがより大切です。

そのため変化を追い続けて、シフトチェンジをすることもWeb3分野でキャリア形成するためには重要なスタンスと言えますね。

リスクテーキングをする

Web3はあたらしい分野なので、早期にキャリア形成をするにはリスクがあります。

たとえば、仕事で活用しているブロックチェーンがハッキング被害にあってしまったり、自分がかかわっているNFTプロジェクトがラグプル被害にあってしまったりすることもあります。

しかし、このようなリスクあるキャリアを意識的に選択することで、先行者優位を勝ち取ることができるのです。

Web3キャリアを形成するためには、「自分はリスクを避けていないか」を常に考える姿勢が重要になりますね。

楽観的に捉える

リスクテーキングを意識してチャレンジすると、失敗してしまうこともあります。

また、チャンスに飛び込むことができずに後悔してしまうこともあるはずです。

このときに、一喜一憂してしまうとあたらしいチャレンジをすることができなくなってしまいますよね。

チャレンジをし続けるためには「失敗してもOK」や「次に活かそう」という楽観的なスタンスもWeb3分野のキャリア形成を加速させますよ。

Web3キャリアの始め方まとめ

Web3分野は将来性があり、興味を持ち始めた人が多いです。

しかし、アーリーアダプターとしてWeb3業界で活躍するためには、のんびりしていられないというのが正直なところです。

海外ではすでに人材の流出が始まっていますし、日本でも大手企業が参入し始めています。

新しい一歩を踏み出すことに不安を感じているかもしれませんが、今行動をすることでWeb3人材として活躍するチャンスがあります。

もちろん、リサーチをするだけでもキャリア形成に役立てることはできます。

しかし、リサーチをしているだけでは、残念ながらキャリア形成のために一歩踏み出すことはできません。

少しでもWeb3分野に興味がある人は、まず自分ができる行動をし、たとえ「よちよち歩き」であったとしても、Web3キャリアを形成する一歩を踏み出しましょう。

また、Web3キャリアについて詳しく知りたい人は、私なべけん(@nabeken_career)が「Web3 キャリア by なべけんブログ」にて情報発信やオンラインキャリア支援をおこなっています。

気になる人は参考にしていただけるとうれしいです。