「まだメタバースなんて夢見てるの?」そんな言葉が方々で囁かれ、メタバースはオワコンであると呼ばれています。
しかし、実際メタバースの実情は本当にオワコンなのでしょうか?
大前提として、メタバースやWeb3がオワコンや話題性に乏しいのは事実です。
同時に、一般層へのインパクトが弱いのも弱点と言えるのでしょう。
しかし、メタバースはまだまだこれからです。
今回はメタバースの将来性について、お伝えします。
Contents
メタバースがオワコンと呼ばれている理由
巷では、「メタバースはオワコン」とよく聞かれます。
何故人々が、メタバースをオワコンと呼んでいるのか、「3つ」の理由を解説します。
- メタバースの認知度不足
- メタバース企業の成長が見込めない
- デバイスへのストレス問題
メタバースの認知度不足
メタバースがオワコンと言われてしまう理由の一つ目の理由として、消費者にメタバースの凄さが届いていないからです。
話題沸騰中の生成系AIの「CharGPT」は分かりやすく私たちの生活を楽にしてくれます。
単純作業を簡略化し、新しいアイデアを生み出してくれる気がするイメージが一般層に共有されると優良なコンテンツであると考えられます。
しかし、メタバースを実感できる場所やデバイスは限定的であるため、コンテンツの凄みや旨みを連想することが比較的、難しいと言えるでしょう。
このように、BtoC向けのコンテンツであるのに、消費者に魅力や成長性が届いていないとオワコンと揶揄されてしまうのも無理はないのです。
メタバース企業の成長が見込めない
2つ目の要因は、メタバースをバズワードにした「Meta(旧:Facebook)」の成長が見込めていないからです。
GAFAと言われる世界を席巻した大企業の社名変更は、世界を揺るがす大ニュースとなり、メタバースという言葉は、それまでSFの概念的なものから現実味を帯びて広く認知されるものになりました。
しかし、その「メタバース」の起源は、1992年に発表されたニール・スティーヴンスン氏のSF小説「スノウ・クラッシュ」だとされています。
2003年にはLinden Lab社がメタバースの先駆けとなる「Second Life(セカンドライフ)」の運営を始めました。
一時期注目を集めていたため企業もSecond Lifeに参入することもありましたが、当時はネットワークの技術も追いついておらず、下火となり、Meta社の社名変更によって、また注目を集めることとなります。
しかし、Meta社の決算をご覧いただけるとわかるように、メタバースを筆頭に企業の利益率や成長は著しく滞っているのが現状です。
その要因は様々ですが、急成長のために強引な買収戦略を取り続けた結果、著名・有望なエンジニアが「Meta社と仕事をするのはクールではない」というイメージがついてしまったことも大きな要素であると考えます。
そのため、メタバース界隈全体の成長が見込まれていないのです。
デバイスへのストレス問題
3つ目に、デバイスへのストレス問題が解消されていないことです。
簡単にいうと、VRゴーグルが重い&大きすぎる問題がいつまで経っても解消されないのです。
VRゴーグルは確かに、非日常の体験を消費者に与えます。
同時に、そのデバイスセットまでのハードル(資金面・インフラ面)が解消されないことで、一部の熱狂的なコアファンしか購入できていないのです。
Meta社が社名変更し、脚光を浴びてから早2年8ヶ月、この年月で根本的なストレスが解消されていないことがオワコンと呼ばれている理由でしょう。
メタバースがオワコンではない理由
では、本当にメタバースはオワコンでしょうか?
結論から述べると、オワコンか否かという二元論で考えるならば、オワコンではないと思います。
その理由は「3つ」あります。
- デバイスの進化が続くから(ハードウェア)
- α世代の主流ゲーム、コミュニケーションであるから
- 一部分野において強力な効果を発揮するから
デバイスの進化が続くから(ハードウェア)
今後デバイスの進化が進むにつれ、前述の課題がそのまま解消され、多くの消費者を取り込める要因になります。
デバイスの課題は、時代の変遷によって解消されます。
かつて、白黒で砂嵐が舞うブラウン管のテレビは、4色の色彩を放つ超薄型で画期的なテレビに進化しました。
携帯電話もリュックサックのような大型の持ち運びから、スマートフォンに進化したようにデバイスの問題は、時代とともに解消されるのです。
α世代の主流ゲーム、コミュニケーションであるから
「Fortnite」を筆頭に、若年層のコミュニケーションの中心は3DCGを中心としたメタバース空間です。
他にも「Cluster」のようなメタバースプラットフォームでは、ゲームに限らず、企業や友人でのコミュニティを形成することが可能です。
団塊の世代の方々の若き日の思い出と今のZ世代の思い出が全く異なるように、これからの若者の遊び場は、公園でも飲み屋でもなくメタバース空間に置き換わる可能性があるのです。
現に、Fortniteの運営元であるEpic Gamesの急成長からも、若年層のトレンドの変化は読み取れるはずです。
引用:https://store.epicgames.com/ja/news/epic-games-store-2022-year-in-review
一部分野において強力な効果を発揮するから
一部分野とは、「アダルト ・ゲーム ・デベロッパーのメタ空間」などが挙げられます。
特に前者2つにおいては、メタバース空間から出てこなくなる方々が一定層いると考えます。
「デベロッパーのメタ空間」とは、TOYOTAのウーブンシティなどで実施されているように、電気自動車や未来都市のシュミレーションをする際に効果を発揮します。
また、それらのコンテンツを生成するカロリー自体が必要なくなっていることも追い風です。
昨今、話題の「AI写真集」や「お金2.0」の著者としても有名な日本メタバースの雄、佐藤航陽氏がTwitterに掲載した新宿の姿をFortnite上で再現した動画のようにメタバースの成長は止まることを知りません。
AIに生成させたバーチャル新宿をFortnite上にぶち込んでゲームできるようにしてみた(開発期間は3日)。Fortnite上に並行世界が作れそう。
— 佐藤航陽(さとうかつあき) (@ka2aki86) March 30, 2023
ChatGPTと連携してゲームシステム・ストーリー・会話などもAIに作らせて、VR対応できればガチのマトリックスだな。#UEFN #Fortnite pic.twitter.com/Ras5FUvtoD
メタバース×AIの組み合わせ
メタバースとAIの相性は非常に良いです。
その理由は、少人数でシンプルにメタバース空間を設計できるからです。
メタバースのような先進的技術は、若年層の方が関心が高く理解も深いです。
しかし、企業や集団でしかできないクリエイティブのスピードは鈍化するばかりではなく、優秀なクリエイターを潰してしまうことに繋がります。
そこで、AIによる分析や単純作業の効率化、そしてメタバース空間の生成を短時間で実現することで、その先のクリエイティブに集中できるのです。
現に、先述のメタバース空間の新宿はAIとの組み合わせによって作成されたものです。
他にも、「Unreal」という無料から始められる3DCGソフトと凄まじいユーザー数を誇るFortniteを繋げることができます。
Unreal Editor for Fortnite (UEFN)
— Hajime@Metaverse Architect/メタバース建築家/作家 (@HajimeTsuruta) July 7, 2023
ナウシカっぽいゲームも作れてしまう
革命的なゲーミングエンジン
一般の方には何のことだか分からないかもしれませんが無料テンプレートやアセットを使って高品質なゲームが誰にでも作れます
USAでは個人のクリエーターに億超えの収益が分配され始めている模様 pic.twitter.com/bFHtCN0oDz
つまり、無名クリエイターが作ったメタバース空間をFortniteに接続、その空間がユーザーから評価されることで、販売することができます。
設計をAIに委ねる事が可能であるため、その自走力とトレンドの組み合わせを如何に世間と投資家に伝えられるかが、これからのメタバースクリエイターに求めれるスキルであり、そのインパクトはYouTuberを超えるポテンシャルを秘めています。
メタバースが再興するに必要な要素は?
メタバースが再興するには、「分かりやすく消費者に理解させること」と「子どものトレンドを大人が読むこと」の両面が必要でしょう。
前者は、メタバース空間によって自分の生活がどのように豊かになるか、今のストレスが解消されるか、10万円払う価値があるか、今の職業よりも稼げるのかなどの「実感」を消費者に与えることが最も重要です。
その実感を与えることができた時に、メタバースの大きなトレンドはまた起こるでしょう。
後者は、大人こそ次世代の子供が何に快を感じ、不快を覚えるかを理解する必要があります。
今ある常識や当たり前を信じている限り、新しいテクノロジーや価値観は生まれません。
しかし、未来を読むというのはあまりにも変数の多い事象の予測であり、非常に困難です。
そこで、最も頭の柔らかい子供達を見るのです。子供たちはいつもシンプルで、「どれだけ面白いか」しか気にしていません。
その観点を忘れずに新しいメタバースを開拓することが再興への近い道であると考えます。
当記事の内容により、メタバースに興味を持たれた方は下記記事をご参照ください。